ホテル、専門式場、プロデュース会社 どこに就職する?
ウエディングプランナーとして働く職場としては4つのタイプがあります。
ホテル、結婚式場(ゲストハウス含む)、プロデュース会社が主な職場となり、これに海外プランナーが加わり合計4タイプの職場になります。
新郎新婦の挙式・披露宴を担当しておこなう基本的な業務は殆ど一緒ですが、職場によって役割や業務が異なってきます。
例えばキリスト教式の結婚式場と、人前式のレストランウエディングでは挙式スタイルが異なり、進行や覚える事も異なってきます。
ホテルのウエディングプランナー
一般的にホテルでは「料飲」と「宿泊」という2つの事業部門があります。
※他にも営業部門、会計部門、法務部門など色々な部門がありますが、ここでは分かりやすくホテルの2大部門である「料飲」と「宿泊」で説明します。
料飲部門には「宴会部」があり、その中でも結婚式を担当する「婚礼課」に配属されるケースが一般的です。
婚礼課ではさらに職種が細分化され「予約係」と「婚礼係」に分けられているケースがあります。
予約係では新規客の接客から成約までを担当し、婚礼係は結婚式のプランニングや手配を担当します。つまり、新規顧客獲得の営業と、結婚式を企画・手配する担当に別れています。
- 予約係:ブライダルフェアや見学しに訪れたお客様に、サービスの説明や館内を案内して、成約するまでを担当します。営業に特化した業務です。
- 婚礼係:予約係から成約したお客様を引き継いで、結婚式の打ち合わせ、プランニング、手配業務、挙式当日の指示などを担当します。
もちろん、予約係と婚礼係の職種を兼任するホテルもあります。
すぐにウエディングプランナーになれないこともある
ホテルでは定期的な配置転換があり、ウエディングプランナーになるまでに数年かかる場合もあります。また、ウエディングプランナーから他の部門へと移動することもあります。
例えば、ウエディングプランナーになる前に、フロントや案内、ホールスタッフなどの業務を経験して接客を学び、婚礼部門に配属されてアシスタントプランナーからウエディングプランナーへとステップアップしていきます。
大学新卒の方や、ウエディングプランナーの経験が無い方、ウエディングプランナーの専門学校を卒業していない方は、すぐに婚礼部門に配属されない場合もあるので、ある程度の下積みは考慮しておいたほうが良いでしょう。
もちろん、全ての社員が配置転換されるわけではありません。また、ウエディングプランナーはプランナーのままといった専業制となっているホテルも多くあります。
質の高い接客、サービスマインドを身に付けることができる
さまざまな業務を経験することにより質の高い接客スキルや、サービスマインドを身に付けることができるのもホテルで働く大きな魅力です。こうした経験は管理職になった時にも役に立ちます。
また、マナーから、語学(TOEIC)のサポート、ビジネスやマネジメント力を向上する研修など、人材育成のための研修や制度が充実しています。
ウエディングプランナーだけではなく、サービス業を極めたい人には最適な職場です。
給与は将来性は?
給与は固定給が多く、歩合・インセンティブ制であっても他の部門の給料とのバランスが考慮されて高額な給料にならない職場もあります。
初任給は18万円~23万円と平均的で、年収は300万円~450万円です。
キャリアップの道が明確で、役職が付くと年収は550万円~600万円以上となります。
バブル崩壊後からの危機的状況からホテル業界は立ち直り、経済の変動や、顧客ニーズにも素早く対応できるようになっており安定しています。
ただし、離職率が高いことでも知られており、職場によっては厳しい環境の場合もあります。ホテルではウエディングプランナーだけではなく、他の部門に移動しても勤務できるかで将来性も変わってきます。
結婚式場のウエディングプランナー
チャペルや披露宴会場、邸宅などが建てられている「結婚式場」と呼ばれる職場になります。
全国で複数の婚礼施設を運営する大手企業や互助会系の企業あれば、地元密着型の結婚式場もあります。
キリスト教式の結婚式場や、邸宅で結婚式をおこなうハウスウエディングなど、職場のタイプも色々とあります。営業・接客、結婚式の企画、デスクワークなど基本的な業務はほぼ同じですが、覚える知識や業務は職場のタイプによって違います。
例えば、独立型チャペルがある結婚式場ではキリスト教式についての業務となり、ハウスウエディングでは邸宅を使った人前式やキリスト教式の業務となります。
未経験者が最短でウエディングプランナーになる道
未経験者でも素質があれば積極的に採用しており、1ヶ月~3ヶ月の研修やOJTの後にウエディングプランナーとして活躍できます。未経験者が最短でウエディングプランナーへとなれる道とも言えるでしょう。
仕事内容は、営業・接客から結婚式の企画・手配業務、挙式当日は司令塔となって各スタッフへの指示や対応をする。一般的なウエディングプランナーの業務になります。
給料や将来性は?
初任給は18万円~24万円で、年収は300万円~450万円となっています。
歩合やインセンティブがある会社では月給が50万円以上となるケースも多くあります。
女性ウエディングプランナーの場合は結婚・妊娠で退職されます。結婚で退職する女性は少ないですが、妊娠・子育てしながらできる仕事ではないので、殆どの女性が妊娠で退職していきます。
最近は、子育てが落ち着いた元社員を再びウエディングプランナーとして迎え入れる「カムバック制度」を導入する企業も増えてきており、ウエディングプランナーとして長く活躍できる職場になってきています。
プロデュース会社のウエディングプランナー
チャペルや披露宴会場などの婚礼施設を所有せず、挙式・披露宴をおこなう場所を借りて、新郎新婦の結婚式全てを担当するのがブライダルのプロデュース会社です。
※ワタベウエディングや、ハウスウエディングのT&Gもプロデュースを行いますが、分かりやすく婚礼施設を持たない会社の業務について説明します。
海外ウエディングをプロデュースするワタベウエディングを除けば、プロデュース会社が増えたのはバブル崩壊後の90年代半ばからブームとなった「レストランウエディング」からです。
プロデュース会社に依頼する新郎新婦は、ホテル・結婚式場ではなく、レストランやカフェ、ギャラリーや公園などを利用して、少人数でアットホームな結婚式を挙げるケースが多くなります。
ウエディングプランナーとしての業務は一緒です
一般的には提携先のレストランや神社からの依頼を受けて挙式・披露宴を担当します。もしくはホームページ、ブライダルカウンターからの依頼を受けて、提携先のレストランや施設を紹介して、挙式・披露宴を担当します。
つまり、勤務先は婚礼施設ではありませんが、提携先のいくつかのレストランやカフェ、施設で、挙式・披露宴を担当するウエディングプランナーとなります。
フリーランスのウエディングプランナーに近い職業で、実際、フリーランスのプランナーや、フローリストがプロデュース会社を運営している場合もあります。
お客様はオリジナル派、こだわり派よりは「価格を抑えて、身内で楽しくアットホームな結婚式」「転勤・おめでた婚など、何かしらの理由ですぐにでも結婚式を挙げたい」という方が比較的多く、人気にあるプロデュース会社では年間の担当数も60件以上となる場合もあります。
もちろんウエディングプランナーとしての企画力は必要です。提携先の会場ごとに素敵なコーディネートやイベントを企画することになるので、ホテル・結婚式場のプランナーより大変な事もあります。
稀にですが、新郎新婦の希望を叶えるために施設と交渉することもあります。こういった変わった場所で挙式・披露宴ができることがプロデュース会社のアドバンテージでもあるので、小さな会社では、提携先を増やすための営業活動をおこなうこともあります。
ちなみに結婚式場のプランナーでも宿泊施設との提携や、ブライダルカウンターとの打ち合わせといった外回りの営業があります。
プロデュース会社の多くが社員数も少ない零細企業で、年間で担当する挙式数もホテル・結婚式場と比べて少なく、1.5次会、2次会だけの依頼でも請け負っている会社もあります。(ホテル・結婚式場でも1.5次会、2次会を受付けてる会社は多くあります)
プロデュース会社の中には、海外ウエディングを専門としている会社もあります。※後述で詳しく説明します。
給料や将来性は?
給与は18万円~24万円で、年収は350万円~400万円となっています。
固定給のホテル・結婚式場とあまり変わりませんが、歩合・インセンティブ制度があるホテル・結婚式場のような月給が50万円~100万円となることはありません。
零細会社の場合はキャリアップの道が明確ではないため、独立も視野に入れてウエディングプランナーの資格を取得するのも良いでしょう。
海外のウエディングプランナー
海外ウエディングを希望する日本人カップルに、海外の教会やホテルを紹介して挙式を担当するのが海外ウエディングプランナーです。
提携している海外の教会やホテルで新郎新婦の挙式を担当するため、プロデュース会社と近い業務形態と言えるでしょう。
海外ウエディング最大手のワタベウエディング、ベストブライダルなどでは、海外にも自社の教会や婚礼施設を所有しています。
海外といっても主にハワイやグアム、バリ島などのリゾート地が多く、アメリカやヨーロッパ、アジア圏も数は少ないですがあります。
新郎新婦のほとんどが日本人ですが、現地スタッフとのやり取りがあるため英語は必須となります。家族や親友達との少人数による結婚式が多く、披露宴は日本に戻ってからおこなうのが一般的です。
日本人と外国人との国際結婚を担当することもあるので、海外ならではの挙式イベントや宗教的なことなど、知っておくことも幾つかですがあります。
海外で働くには語学力はもちろんですが「就労ビザ」の取得が必要となります。
また、ハネムーンと兼用した海外旅行となるので国家資格の「旅行業務取扱管理者」を取得する必要はありませんが、海外旅行についてのアドバスができたほうが良いでしょう。
海外ウエディングプランナーへの就職方法は?
海外ウエディングを取り扱っている「ワタベウエディング」や「ベストブライダル」の海外挙式部門に就職するか、海外ウエディング専門のプロデュース会社に就職する方法があります。
前者であるワタベウエディングやベストブライダルなどの大手ブライダル企業の場合は、求人から応募して採用されれば、希望する海外プランナーになれる場合もあるでしょう。
社内研修や福利厚生などもしっかりしており、就労ビザの取得も問題はありません。
後者である海外ウエディング専門のプロデュース会社の場合、フリーランスのウエディングプランナーの方が起業しているケースがあります。
個人または少数で海外ウエディングのプランニングをしており、高いスキルを持って活動されています。
稀にアシスタントとしてのスタッフを募集していることがありますが、雇用形態や給与、福利厚生などの確認だけではなく、就労ビザが取得できるかの確認も行ってください。
結局どこで働くのが良いのか?
ブライダル業界の離職率は、ホテルの宿泊部門も合わせると離職率が高いことでも知られています。いくつかの離職理由でも多いのは自分と働く場所とのマッチングミスです。
ホテル、結婚式場、プロデュース会社、ウエディングプランナーとしての基本的な業務はどこも一緒ですが、入社後の勤務状況に違いがあることが分かったと思います。
例えば、大学新卒で直ぐにでもウエディングプランナーになりたい場合は、就職先は結婚式場となります。転職を避けたい場合は大手企業は就職先の候補から除外されます。
自分の希望ばかりを優先しても失敗することもありますが、実際に10年努めた結婚式場を転勤の辞令を機に転職した成績優秀なウエディングプランナーもいます。自分がどうしても譲れない条件、譲れる条件を明確にして、働く場所を決めるのが良いでしょう。
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