ウエディングのお仕事

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仏前式の結婚式

仏前式は寺や宗派の教えに基づいて、それぞれの先祖に愛を誓う挙式スタイルになります。

仏教においては、2人が結び付くというのは偶然ではなくて、前世から深い縁があった事によってと考えられています。仏前式においては仏様やご先祖様に結婚報告を行い、それぞれの導きに感謝して、末永く添い遂げることを誓う事になります。

現在のような神社での神前式や、ホテル・結婚式場でのキリスト教式などの挙式スタイルがおこなわれる以前は、花婿の家に両家が集まり、固めの盃を交わすなどが婚礼の儀式でしたので仏前式はそれに近い挙式です。

仏前式とウエディングプランナー

仏前式はお寺や自宅に僧侶を招いておこなわれるのが一般的ですが、中にはホテルや結婚式場でも仏前式ができる婚礼施設もあります。

お寺や自宅での仏前式の場合、ウエディングプロデュース会社や、冠婚葬祭業者のプランナーが担当することが一般的です。披露宴をホテル、結婚式場でおこなう場合にホテル、結婚式場のウエディングプランナーが担当することもあります。

ホテル、結婚式場のウエディングプランナーが仏前式をサポートする機会は少ないですが、挙式後の披露宴から新郎新婦をお世話することもあるので、由来や流れを知っておくと新郎新婦も安心されます。

新郎新婦の宗派が違う。無宗教の場合があります。

新郎新婦もしくは家族が信こうする宗派によって、結婚式の次第が少しずつ違ってくることもあります。新郎新婦の宗派が違う場合は、どちらかの宗派に合わせた仏前式をおこないます。

無宗教のカップルでも、仏前結婚式の考え方に賛同した場合、お寺に相談すれば宗派や宗教に関係なく、仏前結婚式を行ってくれるところも増えています。

仏前式でウエディングドレス

仏前式の結婚式の衣装は、一般的には神前式と同じような白無垢と羽織袴ですが、花嫁からウエディングドレスの着用を相談されることも稀ですがあります。

ウエディングドレスでの仏前式を許すお寺もありますが、一般的には和装で披露宴でウエディングドレスの着用を薦めます。

仏前式の流れ

一説には神前式は仏前式を参考に作られたと言われるように、三三九度固めの盃など神前式と共通する儀もあります。

仏前式の特徴として、宗派によって大きく異なることです。神前式やキリスト教式でも宗派や教派によって異なりますが、仏前式は地方や宗派によって随分と異なることがあります。

  1. 入堂(入場)
    ご両親、親族が堂内に入場して、着席します。
    ご本尊に向かって右側が新郎の親族、左側に新婦の親族が着席します。
    続いて、新郎新婦が媒酌夫妻(または介添人)とともに入場して、正面に着席します。
    最後に、僧侶が入場してきます。
  2. 敬白文朗読(けいびゃくもんろうどく)
    僧侶が仏様と先祖に新郎新婦の結婚を報告するために「敬白文(けいびゃくもん)」を読みます。
  3. 聖水灌頂(せいすいがんじょう)
    僧侶が「清めの水」を新郎新婦の頭にかけて身と心を清めます。
    「智慧の水」をおこなう場合もあります。
  4. 念珠の授与(ねんじゅのじゅよ)
    僧侶から新郎新婦へ数珠(念珠)が手渡されます。
    白い房の数珠は新郎。赤い房の数珠が新婦となります。
    数珠は左手の親指以外の手で持ちます。
  5. 指輪の交換
    新郎新婦がお互いに指輪を薬指にはめます。
    指輪の交換が無いこと多くあります。
  6. 司婚の儀(しこんのぎ)
    僧侶が新郎新婦に婚礼について問いかけ、新郎新婦が答えていきます。
  7. 誓詞朗読(せいしろうどく)
    ご本尊に向かって、新郎新婦が結婚の誓いが書かれた「誓詞(せいし)」を読み、結婚を宣言します。
  8. 焼香(しょうこう)
    新郎新婦が焼香をして、合掌します。
  9. 式杯の儀(しきはいのぎ)
    大・中・小の盃を新郎新婦が交互に飲み干します。1回、2回と口をつけて3回目で飲み干します。これを新郎新婦合わせて9回おこないます。
    神前式の「三献の儀」「三三九度」にあたる儀式ですが、新婦から先におこないます。
  10. 固めの盃(かためのさかずき)
    両親、親族にも盃が配られ、1回、2回と口をつけて3回目で飲み干します。これにより、両家は親族となります。
  11. 記念法話(きねんほうわ)
    法話とは僧侶が話す仏教の教え・話のことで、新郎新婦、親族に向けて結婚を記念した法話が述べられます。
  12. 合掌(がっしょう)
    新郎新婦、列席が合掌します。「礼拝(らいはい)」とも言われます。
  13. 退堂(たいどう)
    僧侶、新郎新婦、媒酌人、両親、親族の順番で退場します。

このほか、奏楽がおこなわれることや、華をお供えする「行華(あんげ)」や、香を焚く「献香(けんこう)」、教を読む「四弘誓願(しぐせいがん)」「同唱十念(どうしょうじゅうねん)」などがおこなわれる事もあります。

仏前式の歴史

古くの婚礼は、新郎の自宅で親族が集まり、先祖や仏様への礼拝や、固めの盃、お色直しなどが行われる婚礼の儀式が一般的でした。
今では「家族式」や、人前式のルーツなどと言われていますが、昔の日本には決まったスタイルの結婚式はまだありませんでした。

仏前式として形式されたは1879年(明治12年)とされていますが、現在のように指輪の交換、誓諭朗読などが取り入れられた日蓮宗の田中智學(たなか ちがく)の1887年(明治20年)の結婚式からと言われています。

神前式、キリスト教式の流行

仏前式が形式となった同時期に、宗派に関係なく挙式を挙げる神前式の形式も作られていきます。
明治33年に日比谷大神宮(現:大東京神宮)で大正天皇の結婚式がおこなわれ、新郎新婦の宗派に関係なく挙式ができる神前式の挙式が広く認知されることになり、神前式が一般の人の結婚式として広く行われることになります。

1980年代にはキリスト教式が大流行し、仏前式の結婚式は10%以下とも1%とも言われています。

2000年になり芸能人が仏前式を挙げたことから注目されましたが、宗派の違いなどの問題から少ない挙式スタイルです。

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